塗装ブースとひとくちに言っても、ブース内の空気をきれいに保つ仕組みによって種類が分かれます。ここでは、余剰塗料の回収方法、換気方法での分類についてご紹介しています。
塗料には有害物質が含まれることがあり、適切な処理が必要です。余剰塗料を回収するためには乾式・湿式の2種類の方法が用いられます。ここでは、その2種類についてそれぞれ解説しました。
乾式塗装ブースは、吸気したブース内の空気をフィルターに通すことで余剰塗料を回収する方式です。フィルターを使うだけなのでコストが比較的安く、設置場所もあまり取らずに済みます。一方で、フィルターの目が詰まってくると捕集力が落ち、余剰塗料を回収する性能が低くなってしまうというデメリットも。
湿式塗装ブースでは、循環水を使って余剰塗料を回収することができます。余剰塗料を含んだ塗装ブース内の空気を水に通し、循環水ごと余剰塗料を集めることができます。薬液などを使って循環水から塗料を分離させることで最終的に回収します。乾式に比べて捕集力が高く、余剰塗料が外部へ漏れにくいというメリットがあります。
塗料には有害物質が含まれているため、塗装ブース内は適切に換気しなくてはなりません。その換気の方法によっても塗装ブースが分類されているので、そちらもご紹介しておきましょう。
局所排気装置は、有害物質の発生源の近くに吸込み口を設置して、発生した側から換気していくというもの。常に吸引する気流が発生しているので、室内に有害物質が拡散し、周囲を汚染してしまうことを防ぎます。装置内部のダクトで排気を処理できるので、外部への有害物質も防げます。
プッシュブル型塗装ブースは、吸込み口と吹出し口で有害物質の発生源を挟んで設置するもの。吸い込むだけでは有害が吸込み口に入らず横流れしてしまうことがありますが、吹出し口から吸込み気流と同じ方向に気流を吹き出すので、しっかりと捕集することができます。
全体換気は、給気口から入ってきた空気が有害物質発生源のまわりの汚染された空気と混ざり、有害物質の濃度を下げて換気扇から出ていく、という仕組み。全体換気ではブースの周囲が汚染されてしまうことに注意が必要です。
オーバースペックにならずコストを抑えて塗装ブースを導入できるよう、ラインナップが豊富だったり、オーダーメイド対応をしている塗装ブースメーカーを厳選。その中から、導入後も満足できるよう、各業界・部品別におすすめの塗装ブースメーカーを紹介します。
■選定基準:2024年2月16日にGoogleにて「塗装ブース メーカー」と検索した際に表示される塗装ブースメーカーを22社調査しました。その中でも、塗装ブースの商品の種類を10種類以上揃えるか、あるいはオーダーメイド生産と公式HP記載されていた会社の中で、下記の基準でピックアップしました。
・パーカーエンジニアリング…公式HP上で、塗装ブースを自動車業界に導入した事例の掲載が最も多い。
・ANDEX…公式HP上で、航空機や鉄道の大型塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
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※2024年2月編集チーム調べ