業務用塗装ブースメーカーの専門メディア 【塗装ブース大全】
業務用塗装ブースメーカーの専門メディア 【塗装ブース大全】 » 塗装ブースの種類 » 業務用「塗装設備」の導入|種類と合わせて考えるメーカーの選び方

業務用「塗装設備」の導入|種類と合わせて考えるメーカーの選び方

塗装設備の導入や更新を検討する際、乾式や湿式といった「種類」の比較だけで機種を決めていないでしょうか?本記事では、種類選びの前に知っておくべき業務用塗装設備の役割と、自社に適した設備環境を構築するための「メーカー選定」のポイントを解説します。

単なる「種類」の違いではない?業務用塗装設備に求められる3つの役割

不良率を下げ利益を生む「塗装環境のコントロール」

業務用塗装設備の最大の目的は、単に塗料ミストを排気することだけではありません。最も重要な役割は、塗装品質を安定させ、不良品が発生するリスクを極限まで下げること。工場内に浮遊する目に見えない微細なホコリやゴミが乾燥前の塗膜に付着すれば、「ブツ」と呼ばれる不良の原因となります。

高性能な塗装設備であれば、給気と排気のバランスを緻密に計算し、ブース内に適切な気流を作ることでゴミの付着や塗装ムラを防止可能です。つまり、適切な設備投資は手直しの手間を減らし、製品の歩留まり向上や利益確保に直結する重要な「経営判断」といえるでしょう。

従業員と企業を守る「法令遵守」の徹底

塗装作業において避けて通れないのが、有機溶剤中毒予防規則や労働安全衛生法、消防法といった数多くの法的規制です。これらは従業員の健康を守り、火災などの重大事故を防ぐために厳格に定められています。もし簡易的な換気設備だけで業務を行えば、法的基準を満たせず、企業のコンプライアンス違反となりかねません。

業務用の塗装設備は、法令が定める制御風速や排気処理の基準をクリアするよう設計されています。企業として事業を継続するためには、コスト面だけでなく、法的要件を確実に満たす安全な環境整備が社会的責任として求められます。

近隣環境への配慮とSDGs対応

工場の稼働において、地域住民や周辺環境への配慮は欠かせない要素となりました。特に塗装工程から排出されるシンナー臭や塗料ミストの飛散は、近隣トラブルの主要因となりやすく、場合によっては操業停止に追い込まれるケースさえあります。

そのため現代の塗装設備には、単なる排気機能だけでなく、臭気成分の除去装置や大気汚染防止法に対応した高度なフィルターシステムが必須です。環境負荷を低減する設備の導入は、近隣との良好な関係維持はもちろん、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業としてのブランド価値向上にもつながります。

カタログ上の「種類」や「価格」だけで塗装設備を選ぶリスク

既製品のスペックが自社の生産ラインに合うとは限らない

カタログに掲載されている標準仕様の塗装ブースは、あくまで一般的なサイズや条件を想定して作られたものです。しかし、実際の現場で扱うワーク(被塗物)の形状や大きさ、重量は企業によって千差万別。カタログスペックだけで選定してしまうと、ブースが大きすぎて無駄なエネルギーコストがかかったり、逆に小さすぎて作業効率が著しく低下したりといった問題が発生しかねません。

また、作業者の身長や動きの癖、塗料の補給頻度といった人的要素も考慮しなければ、使い勝手の悪い設備になってしまうでしょう。自社の生産体制に完全にフィットさせるためには、既製品の枠にとらわれず、現場の実情に合わせたカスタマイズや調整が欠かせません。

前後の工程(乾燥・搬送)との連携不足によるボトルネック

塗装工程は単独で完結するものではなく、前処理や乾燥、搬送といった一連の流れの中に存在します。塗装ブース単体の種類や性能だけに注目して導入を進めると、前後工程との連携がうまくいかず、生産ライン全体でボトルネックが発生する恐れがあります。

例えば、塗装ブースの処理能力が高くても、その後の乾燥炉の容量が足りなければ製品が渋滞してしまいますし、搬送ラインとの位置関係がずれていれば、載せ替え作業に無駄な時間が生じます。設備導入を成功させるには点ではなく線で捉え、工場全体の動線設計を含めた広い視野での検討が必要です。

ランニングコストとメンテナンス性の見落とし

導入時の本体価格や設置費用の安さだけで選ぶと、運用開始後にかかるランニングコストや手間で後悔することになります。塗装設備は長く使い続けるものであり、定期的なフィルター交換や清掃作業が必ず発生するもの。安価な設備を選んだ結果、フィルター寿命が短く交換頻度が高くなったり、構造が複雑で掃除に時間がかかったりすれば、トータルコストはかえって高くつくケースも考えられます。

また、省エネ性能の低いファンモーターを使用している場合、日々の電気代も大きな負担となるでしょう。目先の導入コストだけでなく、将来的なメンテナンスの手間や消耗品費、エネルギー効率まで含めた生涯コスト(ライフサイクルコスト)での判断が重要です。

最適な塗装設備は「メーカー選び」で決まる!失敗しない3つの基準

現場課題に合わせた「設計・エンジニアリング力」があるか

失敗しない導入のために最も重視すべき点は、カタログ製品をただ販売するだけでなく、現場課題を深く理解し解決策を提示できる「エンジニアリング力」を持ったメーカーを選ぶことです。優秀なメーカー担当者は現場へ足を運び、塗料の種類、生産量、作業スペースの制限などを詳細にヒアリングします。

その上で気流解析や配置図面の作成を行い、その工場に最適なシステムを提案。「この種類しかありません」と押し付けるのではなく、「御社の課題ならこの方式がベストです」と根拠を持ってオーダーメイドに近い提案ができるパートナーこそが、プロジェクト成功への近道です。

複雑な「法令申請」をサポートできる専門知識

塗装設備の新設・増設には、労働基準監督署への設置届や、消防署への危険物取扱に関する申請など、専門的で煩雑な手続きを要します。これらの書類作成には風量計算書や図面などの技術資料が不可欠であり、社内担当者だけで全て行うのは負担が大きいもの。

そのためメーカー選定の際は、法令対応に精通し、書類作成サポートや行政との協議にアドバイスをくれる企業かどうかの確認が求められます。ハードウェアとしての性能だけでなく、導入までの法的プロセスをスムーズに進めるための「ソフト面のサポート力」も、信頼できるメーカーの条件の一つです。

導入後のトラブルに対応するアフターフォロー体制

塗装設備は一度導入すれば10年、20年と使い続ける長期的な資産といえます。その間には予期せぬ故障やトラブル、あるいは生産品目の変更に伴う改造が必要になることもあるでしょう。また、定期的な法令点検や消耗品の供給も継続的に必要です。

したがって、売り切りの関係ではなく、導入後も長く付き合っていけるアフターフォロー体制が整っているメーカーを選ぶことが大切。万が一のトラブル時に迅速に駆けつけるサービス網があるか、将来的な工場の拡張時にも相談に乗ってくれるかなど、企業の存続性やサポート体制を見極めることが将来の安心につながります。

まとめ

塗装設備を検討する際、ついつい「乾式か湿式か」といった種類の比較から入ってしまいがちです。しかし本当に重要なのは、自社のワークや生産環境に合わせ、法令を遵守しながら最大のパフォーマンスを発揮する「システム全体」の構築にほかなりません。

設備の形式にとらわれず、現場の課題解決を最優先に考えてくれる実績豊富なメーカーに相談すること。それが、失敗しない塗装設備導入の第一歩となるでしょう。

【用途別】
中小工場におすすめな
塗装ブースメーカー3選

オーバースペックにならずコストを抑えて塗装ブースを導入できるよう、ラインナップが豊富だったり、オーダーメイド対応をしている塗装ブースメーカーを厳選。その中から、導入後も満足できるよう、各業界・部品別におすすめの塗装ブースメーカーを紹介します。

自動車部品
塗装をするなら
パーカー
エンジニアリング
パーカーエンジニアリング
引用元:パーカーエンジニアリング公式HP
(https://www.parker-eng.co.jp/case/)
  • 塗装面の美しさが求められる
    自動車業界での導入事例数No.1(※)
  • 設立から70年、大手自動車メーカーから板金工場、部品生産メーカーまで自動車業界での実績多数

公式HPで
製品情報をチェック

電話で問い合わせる

特徴を詳しくみる

航空機や鉄道の
パーツ
塗装をするなら
ANDEX
アンデックス
※引用元:アンデックス公式HP
(https://www.andex.co.jp/performance/)
  • 航空機や鉄道車両などの大型塗装ブースの導入事例数No.1(※)
  • 大型塗装に向いているプッシュプル型の塗装ブースを豊富にラインナップ

公式HPで
製品情報をチェック

電話で問い合わせる

特徴を詳しくみる

農機具などの小物
の塗装をするなら
吉田工業
吉田工業
引用元:吉田工業公式HP
(https://www.tsubame-air-clean.jp/toso-booth/case/簡易小型塗装ブース/)
  • 農機具などの小物の塗装に適した塗装ブースの導入事例数No.1(※)
  • テーブル上での塗装に適した囲い式や、作業性に優れた外付け式の局所排気装置の塗装ブースの実績多数

導入実績を
公式HPでチェック

電話で問い合わせる

特徴を詳しくみる

■選定基準:2024年2月16日にGoogleにて「塗装ブース メーカー」と検索した際に表示される塗装ブースメーカーを22社調査しました。その中でも、塗装ブースの商品の種類を10種類以上揃えるか、あるいはオーダーメイド生産と公式HP記載されていた会社の中で、下記の基準でピックアップしました。
・パーカーエンジニアリング…公式HP上で、塗装ブースを自動車業界に導入した事例の掲載が最も多い。
・ANDEX…公式HP上で、航空機や鉄道の大型塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
・吉田工業…公式HP上で、農機具などの小物の塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
※2024年2月編集チーム調べ