塗装ブースに設置される局所排気装置について解説。有害物質の処理がしやすくなることなどのメリットと、設備が大がかりになってしまうといったデメリットをまとめています。
塗装ブースをはじめ、工場や作業所、実験室といった環境で発生する有害物質。粉塵や有機溶剤、ガスといったものが挙げられます。内部にいる作業者がこれらの有害物質を吸い込まないために、屋外に排出する装置が「局所排気装置」。発生源のそばに吸い込み口を設置して、常に吸引する気流をつくることで室内への有害物質の拡散を防ぎます。
作業環境において、発生源の周囲が汚染されるのを防ぐことができます。有害物質の発生源を狙って空気の浄化ができるので、周囲に有害物質が広がる前に捕集することができます。また、装置内部のダクトが排気を処理し、外部へ有害物質が拡散するのを防ぐことができます。
有害物質の捕集と廃棄の処理が同時に行えることが局所廃棄装置のメリットと言えるでしょう。
有害物質が発生する環境では局所排気装置が有用ですが、どうしても設備が大がかりになってしまうため広い場所が必要になる点がデメリットと言えます。作業環境の中に排気装置が組み込まれるので、作業環境に影響が出ることも懸念されます。
設置コスト、運用コストも無視できるものではありません。コストや作業環境を考慮しながら設置するべきでしょう。
フードを排気口に近づけることにより、少ない風量でも効率よく排気でき、工場環境は大幅に改善された。コストも低く抑えることに成功。
集塵設備の見直しが客先で検討され、フードの取り付けが依頼された事例。フードの形状を工夫することで開口面の風速を上げて効率の良い集塵を行う提案も行ったが、お客の要望で効率を上げるためフード回りにカーテンを垂れ下げるように施工を行った。
オーバースペックにならずコストを抑えて塗装ブースを導入できるよう、ラインナップが豊富だったり、オーダーメイド対応をしている塗装ブースメーカーを厳選。その中から、導入後も満足できるよう、各業界・部品別におすすめの塗装ブースメーカーを紹介します。
■選定基準:2024年2月16日にGoogleにて「塗装ブース メーカー」と検索した際に表示される塗装ブースメーカーを22社調査しました。その中でも、塗装ブースの商品の種類を10種類以上揃えるか、あるいはオーダーメイド生産と公式HP記載されていた会社の中で、下記の基準でピックアップしました。
・パーカーエンジニアリング…公式HP上で、塗装ブースを自動車業界に導入した事例の掲載が最も多い。
・ANDEX…公式HP上で、航空機や鉄道の大型塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
・吉田工業…公式HP上で、農機具などの小物の塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
※2024年2月編集チーム調べ