塗装ブースを使っていると、従業員や近隣住民から悪臭を訴えられるケースがあります。何が原因で悪臭が発生してしまうのか、またどうやって対策するべきなのか、まとめてみました。
塗装ブースに関連する苦情の中で多いのは、塗装排気の悪臭。塗料を扱っていることでどうしてもシンナー臭がしてしまったり、湿式の塗装ブースを使っている場合に水槽にたまった水が悪臭を放ってしまったりすることがあります。この悪臭に対する対策が不十分で、近隣住民や従業員からのクレームを受けてしまうことがあるのです。
悪臭の原因のひとつは、塗料に含まれるシンナー臭。空気中の塗料を除去する装置があっても、シンナー臭は水に溶けないので塗装ブースの外に排気されてしまいます。中小規模の工場では、乾式ブースを採用していてそもそも脱臭対策がされていないこともあります。
もうひとつは、湿式ブースの水槽に溜まる水。これが腐ったり、シンナーや塗料カスが微生物に分解されたりして硫化水素を発生させることがあります。硫化水素は卵の腐ったようなにおいがする上に、健康に害を及ぼすものでもあるので、注意が必要です。
これらの臭いを除去するにはどうしたらいいのでしょうか。
シンナー臭については、排気に消臭剤を噴霧してにおいを中和させる方法が対策として使用されるようになっています。この噴霧方式では、高分子吸着タイプと植物精油による中和消臭タイプの2種類があり、主流はコストパフォーマンスに優れる中和消臭のほう。中和消臭器と消臭剤だけで対策ができるので、コストを抑えることができるのです。
硫化水素の臭いについては、塗装ブースのこまめな清掃、汚泥の回収が重要です。水を交換して、余剰塗料が沈澱したり、腐敗した樹脂が堆積したりするのを防ぐことが大切です。清掃や水の交換がいちばんシンプルですが、薬品を使って汚れときれいな水を分離させ、回収するという方法もあります。
いずれの方法も、専門的な知識や適切な対応が必要になることは言うまでもありません。塗装ブースメーカーの中にも、臭い対策まで対応してくれるところがあります。臭いのことが気になる場合は、まずは塗装ブースメーカーに相談してみるとよいでしょう。
このサイトでは業界・部品別におすすめの塗装ブースメーカーを厳選して紹介しています。併せて参考にしてください。
各業界や部品に対応する
中小工場におすすめな
塗装ブースメーカー3選
オーバースペックにならずコストを抑えて塗装ブースを導入できるよう、ラインナップが豊富だったり、オーダーメイド対応をしている塗装ブースメーカーを厳選。その中から、導入後も満足できるよう、各業界・部品別におすすめの塗装ブースメーカーを紹介します。
■選定基準:2024年2月16日にGoogleにて「塗装ブース メーカー」と検索した際に表示される塗装ブースメーカーを22社調査しました。その中でも、塗装ブースの商品の種類を10種類以上揃えるか、あるいはオーダーメイド生産と公式HP記載されていた会社の中で、下記の基準でピックアップしました。
・パーカーエンジニアリング…公式HP上で、塗装ブースを自動車業界に導入した事例の掲載が最も多い。
・ANDEX…公式HP上で、航空機や鉄道の大型塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
・吉田工業…公式HP上で、農機具などの小物の塗装ブースを導入した事例の掲載が最も多い。
※2024年2月編集チーム調べ